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天国の扉。 - 2006.04.06 Thu

死んだ人間は天国に行くと言われているけれど、老人達にはそんなロマンは言っていられないようだ。
私が勤めているのは、介護保険に該当しない『自立』とされた元気なお年寄りだけのデイサービス。朝、送迎車から元気に降りてくる老人達は、着くなり新聞をひろげて『おくやみ』を見る。 小さな田舎なので、同じ地域のことならなんでも知っている。どこの誰がというとすぐ納得し、家庭の事情や先祖のことまで語りだすのだ。
今日のおくやみを見て、一人の老人が言った。 「あや、この人死んだじいさんの別家の嫁さんの兄弟だ」と。それを聞いて、
「あー、あそこの○○さんか」
とみんなが納得する。
こんな会話はしょっちゅうだ。
老人の一人が帰り際、『死』について語りはじめた。日に日にきしむ体に不安を感じないではいられないという。
「天国ってのは本当にあるのかな」
その言葉にぞわっとした。まさか…
私の驚いた顔を見て、にかっと笑ったその人が続けて言う。
「私らよくこう思う。あの世がすごくいい所だからみんな帰ってこないんだって。死んだじいさんも、今ごろぬくぬくと暮らしてるんだなとか思うよ。まあ、そんなことでも考えないと、楽しくないでしょ。」
なんか関心してしまった。命がつきてしまうと死ぬとだけ漠然と考えていたから、天国に行ってその人がどう暮らしてるのかなんて医療系の私の仕事では考えることなんかなかった。
いくら霊感がつよいと言っても、あの世のことなんかわかるわけもない。
ただ、結構悲しいことでも、こんなにポジィティブな発想はなんだか新鮮で、でも少し切なかった。
死への恐怖と日々戦いながら、必死に明るく毎日を暮らそうとがんばっている彼らは、なんだかいつもより愛しく、強く見えた。
せいいっぱいこの世に生きるこの方たちに、私ができることを一生懸命考えて、頑張らなくてはと気がひきしまる日であった。
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● COMMENT ●
そうだね。
今死んだら確実に私、じばく霊決定だー!!
今死んだら確実に私、じばく霊決定だー!!
について、時々考える。
とても怖く思う時期もあった。
何歳に、なったら、怖い気持ちは無くなるんだろう。
きっと答えは無いけれど、今を精一杯生きて、最後は納得して死ねたらいいなぁ。